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zoom RSS 中川散策・その2(新小岩駅〜青砥駅)

<<   作成日時 : 2018/03/04 16:04   >>

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年月日:2018年1月14日(日)

昨年11月にハイキングに行って以来、仕事に忙殺され、たまの休日は体調を整えることに専念して終日引き籠ることが多くなった。ようやく仕事の山場を越え、3月最初の週末の天気が好さげであったので日曜にハイキングを計画。しかし、土曜夜の寝つきが悪かったため早朝出発をあきらめた。一旦出遅れると気乗りがしない。魅力的なコースではないので結局止めた。というわけで、1月に一度だけ短時間散策した時の記憶を一か月半遅れで記す。

昨年11月に荒川散策の一環で新木場駅から新小岩駅まで歩いた際、旧中川の右岸側を歩いた。旧中川は現荒川(荒川放水路)建設で分断された中川の下流側であり、上流及び下流の接続点ともに排水機場で仕切られていて、普段は止水である。

中川分断点よりも下流の荒川両岸域(主に江東区と江戸川区)は海抜0m地帯であり、最低は海抜-3m以下である(地形図で確認した限りでは、江東区東砂三丁目に少なくとも2か所、海抜-3.1mの場所がある。海抜0m以下地帯の分布は東京都建設局の低地河川の整備の頁参照。)。この様な場所では自然に排水できず動力に頼ることになる。動力で排水することで百数十万人の生活の場が水没を免れている訳だ。集中豪雨の場合は一気に排水できないので、海抜0m地帯の降水を一時的に貯めることのできる場所が必要となる。旧中川は両側を排水機場で仕切って水面を海抜-2m に保つことで、近隣の降水を受け止める貴重な排水池としての役割を担っている。

旧中川の現在の姿は地下水汲み上げによる地盤沈下が生じる以前の中川の姿とほぼ同じと考えてよさそうだ。
では荒川放水路によって分断された反対側(上流側)はどうなっているのか?地形図で見る中川上流側は、東京湾デルタを蛇行する様子を留めてはいるが河川敷に相当するものが存在しない。水線の幅は旧中川の河川敷を含めた幅よりもむしろ広いくらいで、旧中川との違いが際立つ。


前回、平井大橋を渡って新小岩駅に向かう際、中川が荒川に合流していないことを知った。中川と荒川は首都高速中央環状線が走る分離帯を挟んで並流している。両河川の水が混ざるのは東京湾に流れ込む直前である。


荒川の支流に見えなくもない中川だが、河川法の水系の定義:「本流より分流し直接海に流入する派川と、その派川に流入する支流の全ては同一水系に所属する」に基づくと、中川は荒川水系ではなく利根川水系になってしまうのだそうだ。「本流より分流し直接海に流入する派川」には利根川から分派する江戸川が相当し、「その派川に流入する支流」に中川から分派して旧江戸川に流入する新中川が相当するという理屈だ。荒川放水路による分断箇所で直接荒川に合流していれば荒川水系になるか?まあどうでもよい話だ。個人的には稚アユの遡上の方が気になる。荒川を遡上するのが正解だが、誤って中川を遡上した稚アユ達にはどんな運命が待っているのだろう。



中川左岸を上流に進むと上平井水門に至る。中川と綾瀬川への高潮遡上を防ぐのが目的である。

上平井水門
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この上流側にある上平井橋を渡って中川右岸側に移った。


分断点から上流側の中川は地形図記載の通り一般の河川のような岸は存在せず、海面と同じ高さを持つ巨大な排水路である。昔の土盛りした堤防の上に1、2m程度の高さで数十p幅の鉄筋コンクリート製の防潮壁で仕切られている。

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内側には数m幅のテラスが設けられている。ベンチもしつらえてあって一応公園なのだが風情がない。テラスは幾つかの水門で途切れていてそのたびに階段登って迂回しなければならない。防潮壁の外側にある歩道は一般に狭いが、街並みが見える分退屈はしない。右に見える中川の水面と左の堤防下の土地の高さを較べると、この辺りが海抜0m地帯であることを実感できる。


堤防から垂線方向に伸びる道路には勾配がついている。自転車に乗ったお年寄りが中川沿いの道から曲がろうとしてバランスを崩して転倒した。近くにいた通行人が起こしてあげていた。大事には至らなかったのではないかな(さいたま市鴨川沿いの歩道でもお年寄りの自転車転倒にでくわして起こしてあげたことがある。林道カーブでオフロードバイクで転倒した場合にもあてはまることだが、上半身が下になって倒れると自力ではすぐに起き上がれない。)。


船が安全に航行できる場所を示す竹竿の列が水面から突き出ている。その辺りが水没した昔の岸の位置にあたるのであろう。ほんの限られた場所ではあるが、昔の岸の名残を見ることができる。

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明るいうちに帰りたくなり、亀有駅まで歩く案を放棄して、新中川が分派する場所から京成線・青砥駅に向かった。

新中川分派点
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低地河川は自然災害や工事による変遷の歴史があって河川そのものが史跡であり、山歩きとは異なる面白さがある。荒川は一通り探ってみたので、今後は中川に関わる場所を歩いてみようと思う。

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